不動産取引における仲介手数料って?
仲介手数料とは、不動産会社(宅地建物取引業者〈宅建業者〉)を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、不動産会社に成功報酬として支払うお金のことです。媒介手数料(媒介報酬)とも言います。
あくまで成功報酬として支払うもので、売買や貸借の依頼をしても取引が成立しなければ支払う必要はありません。
また、不動産の取引契約が有効に成立しなければ媒介が成立したと言えないので、契約が無効・取消しとなったときも、宅建業者は報酬を請求することはできません。
このように、宅建業法(宅地建物取引業法)では、成功報酬主義が取られています。
宅建業者(宅地建物取引業の免許をもつ者)以外が、仲介手数料を請求することは違法です。
仲介手数料はいくら?
仲介手数料は、上限が宅建業法で定められています(宅地建物取引業法 第46条)。
ですから、それを超えない範囲内で不動産会社が自由に決められます。
一般的に不動産会社は、上限いっぱいに設定しています。しかし本来は、法律の定める限度額内で、話し合いで決めるものなのです。
売買の場合
売買する不動産の価額を次の3つの金額に区分して、それぞれに所定の割合を乗じて得た金額を合計した金額が上限となります。
売買代金 (消費税を含まない) |
媒介報酬(仲介手数料) (消費税を含む) |
|
---|---|---|
200万円以下の金額 |
5.4%以内の額 |
= 5%+消費税 |
200万円を超え400万円以下の金額 |
4.32%以内の額 |
= 4%+消費税 |
400万円を超える金額 |
3.24%以内の額 |
= 3%+消費税 |
(※ 2014年4月1日施行)
〔注意〕
- 不動産の表示価格は総額表示(税込価格)です。仲介手数料は、物件の税抜価格をもとに計算します。
- この報酬金額は依頼主の一方(売主または買主)から得られる額です。依頼主が売主・買主の2者の場合、双方から媒介報酬を受け取ることができるので、報酬額はこの金額の2倍になります。
さらに詳しくは、宅建業法にもとづく仲介手数料の計算方法のページをご覧ください。
貸借の場合
依頼者(貸主・借主)の双方から得られる報酬額の合計金額は、借賃(消費税を含まない)の1月分の1.08倍に相当する金額以内(1カ月分の賃料+消費税)で、依頼者の一方から受けることのできる報酬の額は、依頼者の承諾を得ている場合を除き、賃料の1月分の0.54倍に相当する金額以内と定められています。
(※ 2014年4月1日施行)
このように、賃貸契約の場合、本来は、貸主と借主が家賃1カ月分相当額を折半して消費税をプラスした金額を仲介手数料として支払うことになっているのですが、実際は、借りる側が全額支払う契約になっている場合がほとんどです。
マンションなど賃貸契約のときに不動産会社が示す書類をよくご覧になってみてください。おそらく重要事項説明書に、「契約成立時には、媒介報酬額○○円(消費税込み)を支払うことを承諾しました」という一文が入っていると思います。「依頼者の承諾を得ている」という形をとっているわけです。
仲介手数料の支払い時期
賃貸契約の場合は、一般的には、契約時に仲介手数料を支払います。
売買契約の場合は、契約締結時に約定報酬額の50~100%相当額、決済・引き渡し時に残りの0~50%相当額を支払うように、媒介契約で定めるのが一般的です。
行政庁は、業者に対して、売買契約時に半金、決済時に半金を受領するよう指導しています。
< RETIO(一般財団 不動産適正取引推進機構) 『不動産売買の手引』 参照 >